パーキンソン病のような長期間にわたって医療機関に関わらなければいけない疾患では、医療機関や専門医の選定が非常に重要になります。
ここでは、医療機関や専門医を選ぶにあたってのポイントを説明します。
また、医療機関との関わり方についても触れていきます。
まず病院へ行く前に悩まれることはおそらく
「診療科目」
でしょう。パーキンソン病やその関連疾患は
「脳神経内科」または「神経内科」
にかかりましょう。
稀にそれ以外の診療科目を掲げている医療機関もあります。
どこにでもあるような診療科目ではないので、近所にある可能性は低いです。後に話しますが、たまたま近所に神経内科があったからといって診察を受けるのもお薦めできません。
大学病院や総合病院の一部でしたら大概「脳神経内科」或いは「神経内科」はあると思いますので一度確認してみるのもいいかもしれません。
インターネットなどでお探しの方が多いと思いますが、注意していただく点として「脳神経内科、神経内科」と検索すると非常に多くの医療機関が検索結果に出てきます。
その中で神経内科やパーキンソン病を専門にしている。または得意としている医療機関はその一部です。医療法上、診療科目に専門以外の科目を挙げることは禁じられてはいません。ほぼ全ての診療科目を列挙することが許されているので、お迷いの際は必ず問い合わせするか、私にご相談ください。
専門医とはその分野において高度な知識や技術を有する医師を指します。もちろん筆記・実技試験がある場合もあります。専門医の中でも何段階かありますので、知識や技術にもそれなりの差は存在すると思われます。そのため、専門医だからといって全幅の信頼を置くことはできません。
指定医とは各都道府県別で指定を受けた医師のことです。ここで重要になるのは
「難病指定医」です。
原則、難病指定医でなければ難病の診断はできません。神経内科医などは指定医であることが多いのですが、気になるようであれば問い合わせることをお薦めします。
勘違いしがちなのが、指定医というのは医師が都道府県に申請することで指定を受けます。あくまでもその医師の技量や能力を測る指標になるものではありません。
難病指定医に並んで重要なのが
「障害者認定医」です。
これは障害者手帳申請の際などに障害者認定書類を書くことのできる医師です。正式には「身体障害者福祉法第15条指定医師」といいます。この認定医は市区町村に申請することで指定を受けます。
開業されている神経内科医は比較的これらの指定を受けている方が多く感じられますが、受けていない医師もいらっしゃいますので事前に調べてから受診されることをお薦めします。
※障害者認定医につきましてはお住まいの市区町村にてお問合せください。
パーキンソン病をはじめ様々な疾患には診断基準が設けられています。その基準を満たすことで診断がおりるのです。
パーキンソン病およびその関連疾患における診断、またそれに伴う入院などについて触れていきます。
パーキンソン病及びその関連疾患における検査は先ず頭部の断層撮影です。一般的にCTスキャンやMRIがそれにあたります。ほぼ必ずこの検査は行われます。この検査をせずに診断するような医師は信頼に値しません。
小規模な医療機関では外部委託をしますので小規模のクリニックだからといって敬遠する必要はありません。
専門性の高い検査も存在します。
それがDATスキャンや心筋シンチグラフィです。
これらの検査を行う医療機関でしたら、信頼性がグッと高まります。
パーキンソン病などの診断を受け、症状が顕著に現れだしたり日常生活に影響が出だすと大概の方は「入院して治療をしてもらいたい」と考えだす傾向があります。
しかし、それは不可能と言っても過言じゃありません。
というのも今の医療法では病気の発症した日とされる時期から約3ヶ月経過してしまうと、医療保険が支払われなくなってしまい退院を余儀なくされるからです。
言い換えると、慢性進行性疾患だからといって国費をダラダラと使いたくないというのが現状です。
ただし、検査目的などは例外ですし、病名が違えばそれも範疇ではありません。
回復期病棟では最長180日が限度ですが疾患名や重症度に条件があるので、ここでは触れません。
仮に自費でもいいからと入院できたとしても、予後に大きな差は生じないのも事実です。「入院」自体に過度な期待は禁物です。
余談ですが約30年前は半永久的に入院できたのは驚きですよね。
しかもほぼ無償で。計画性の欠く無責任な時代を象徴していますね。
前述した現状はその時代の「しわ寄せ」なのです。
医療機関の選び方と題して解説させて頂きましたがいかがでしたか。
当たり前過ぎたという印象を受けた方もいらっしゃると思いますが、知らなかった事や意外に思われた方もいらっしゃることでしょう。
今の時代、医療機関や医師を自由に選べるとはいえ、インターネットの普及に伴い返って紛らわしい情報に惑わされたり誤った情報を鵜呑みにしてしまう事も珍しくないでしょう。
難病と付き合っていくには決して回り道をする時間などありません。正しい知識と情報を身に付け今後に備えるのが得策です。
※ここで述べた内容はあくまでも私個人の意見なのでご了承の程宜しくお願いします。併せて誤った情報や誤解を招く内容がありましたら「お問い合わせ」にてご指摘くださいますよう宜しくお願いします。